今回の共有は、圧迫骨折についてです!特に疾患として多い第12胸椎圧迫骨折の事例を基に記載していきます!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー そもそも圧迫骨折をしっかりと理解しているか、からスタート ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
疾患に関わる前にこちら側の捉え方を整える必要がありますね。 この捉え方が軸からずれていると臨床上における現象が疑問ばかりになりますので。
そもそも圧迫骨折というのは通称で、 脊椎椎体骨折というのが正式名称です。
その方がどこの部位かよりわかりやすいですね。
骨粗鬆症によるものがほとんどで、その他に強い外力によって生じるものや転移性腫瘍によるものもあります。いずれにしても人体を支えるための脊柱が変異してしまいます。
高齢者に多い原因はこの骨粗鬆症に由来していて。
今度、自分が担当しているクライアントの骨密度を全員測定もしくはデータが有るのなら確認するといいですよ。
圧迫骨折のある方のほぼ全員がその年齢に対する基準値より下回ってます。
骨粗鬆症についてはこちら↓ 有病率 骨粗鬆症の有病率については、近年、大規模住民コホート参加者において、日本骨代謝学会の」基準を用いて推定した腰椎および大腿骨頸部の骨粗鬆症の有病率(40歳以上)が報告された。これによると一般住民での40歳以上の骨粗鬆症の有病率は、腰椎L2-L4で男性3.4%、女性19.2%、大腿骨頸部の場合男性12.4%、女性26.5%であった。(中略)2005年の年齢別人口構成に当てはめて我が国の骨粗鬆症患者数(40歳以上)を推定すると腰椎で診断した骨粗鬆症の患者数は約640万人(男性80万人、女性650万人)。
診断方法
CTもしくはMRIで撮影する。立位での撮影はあてにならない。
基準値 YAMの80%より下回るかどうかです。
脊椎椎体骨折評価基準
椎体骨折により生じる椎体変形を胸椎・腰椎側面エックス線像で判定する方法 Ⅰ定量的評価法(Quantitative Measurement:QM法) C/A、C/Pのいずれかが0.8未満、またはA/Pが0.75未満の場合を椎体骨折と判定する。 椎体の高さが全体的に減少する場合(扁平椎)には、判定椎体の上位または下位のA,C,Pよりおのおのが20%以上減少している場合を椎体骨折とする。
Ⅱ半定量的評価法(Semiquantitative Method :SQ法) グレード0-3までに分類し、グレード1以上にあてはまる場合を椎体骨折と判定する。
ーーーーーーーーーーーーーー 臨床でどう関わるか ーーーーーーーーーーーーーー
本題ですね。
非常にシンプルです。 脊椎の骨タイプが長管骨です。
ですが、他の長管骨と比較して圧倒的に血流量が多いので癒合速度は早いです。
運動における負荷が掛かりやすいのも事実。
脊柱の動きを把握してどこの部分の骨折なのか、を考慮して運動療法を入れることがコツです!
ちなみに徒手でも圧迫骨折を判断することはできます。
肋骨ー骨盤間距離
患者を立位にして後方から肋骨と骨盤の間に手を入れて2横指未満であれば、腰椎椎体骨折が存在する可能性が高い。781例の骨粗鬆症外来に通院する女性患者でこの診断法の感度が88%、特異度が46%で有用であると報告されている。 (骨粗鬆症ガイドライン2015年度より抜粋)
特にTh12の部分は脊柱の湾曲移行部でもありますので、要チェックです。
Th12は、回旋よりは屈伸要素が強いです。
ただ、腰椎と比較すると椎体がねじれやすい構造ですので、回旋が入りやすいのも事実。
どうやって脊柱のニュートラルポジションを把握するか
運動時の脊柱の代償を見抜くか どこがスタビリティで どこをモビリティにするか
などを考慮して対応するといいですね。
脊柱の解剖学をもう一度、勉強してみましょう!
Comments