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執筆者の写真リハビリスクエア【リハスク】

リアル臨床/右肩関節に対する理学療法

安齋です!


昨日に引き続きリアル臨床です。今回も安齋の臨床を赤裸々に綴ります。

せっかくなので今回は結滞動作に対するリアル臨床として書きます!また皆さんの臨床の何かのヒントになれば幸いです。

ではさっそく。


【症例情報】※初回介入で導入、介入後のフィードバックとセルフエクササイズ指導を含め20分の内容です。

40代女性

問診:一年前から疼痛は生じていて今回、初めて整形外科にきた。夜間痛はないが急な動きや下着をつける、ズボンを上げ切る、しゃがみ込んだ状態から腕を上げるなどの動作で痛みが出てくる。


【理学療法評価】

疼痛部位:右肩峰

誘発動作:肩関節外転150°〜、伸展5°〜、結滞動作殿部レベル

NRS:ADL4/10、動作後痛6/10、急な動作後8/10

full can,empty can:陰性

ベアハグ:陽性

ホーキンスケネディ:陽性

alignment:右上腕骨前方突出、右肩甲骨外転・挙上位、頸部右側屈位

tone:僧帽筋上部↑、三角筋前部・中部↑、上腕二頭筋↑、小胸筋↑、前鋸筋↑

結滞動作:初動時の下制↓

ROM(記載以降の角度で疼痛出現):屈曲150°、外転140°、伸展5°、外旋1,3stのみ20°※2ndは測定せず


【仮説】

肩甲下筋の軽度の部分損傷の疑いあり。小胸筋のタイトネスにてカバーしている。そのため、肩甲骨アライメントが上記記載のように偏移。肩甲骨がマルアライメントによる腱板機能不全。フォースカップルによる代償動作。肩関節屈曲最終域での疼痛であることから上腕骨頭の後方滑りがうまくいかず、棘上筋のインピンジメントが原因か。


こんな感じで評価しました。

さて、実際の臨床はどうだったでしょうか。


【理学療法】

以下は、安齋がやった流れです。

①背臥位で上腕骨を体幹に対して円錐上にパッシブに屈曲方向へ動かし上腕骨頭の後方滑りをチェック。

②後方滑りが出るようにGHjtのモビライゼーション。

③アウターがtone高いため、三角筋、上腕二頭筋のリリースをして再度②

④端座位での屈曲動作チェック→可動域改善(フルレンジ獲得)、最終域で肩関節前方の伸張感を訴えを聴取。

⑤背臥位で小胸筋リリース

⑥再度屈曲動作チェック→伸張感がさらに下の方へ移動する。


ここまでができた初回介入です。さて、⑥が課題として残りましたね。

⑥はおそらく腹直筋、外腹斜筋の硬さです。でも時間がないので介入ができません。セルフエクササイズを伝える必要があります。

どう対応したでしょうか。


【介入後のフィードバック】

伝えたそのままの文章を書きます。


今回のリハビリは肩を真っ直ぐに上げる動きだけしっかりとできるようにしてます。肩は繊細なので丁寧にリハビリをしたいところですので、日常生活で一番使う動きを修正してます。二の腕の骨が通常の位置よりも前に出ているため、本来動くはずのインナーマッスルが機能しにくい状態でした。そのため、代わりとなる筋肉(アウターマッスル)がどんどん動きをカバーするように働いたために生じた痛みです。今回のリハビリでは、まずは二の腕の骨を本来の位置に戻してしっかりと腕が動くようにしました。これでしっかりと腕をあげられるようになったのですが、今度は胸の筋肉とお腹に近いところの筋肉に伸びる感じがありましたね。実は胸の筋肉とお腹の筋肉も支えるために必要な筋肉です。これらも硬いと肩関節が動きにくくなります。ご自身でやっていただきたい運動が2つあります。1つは胸の筋肉のマッサージです。2つ目はお腹の筋肉を伸ばすためにうつ伏せから海老反りをしてください。えびぞりは姿勢を作ったら10秒ほどキープです。これでOKです。次回からは背中に手を回すなどのより応用した動きに対してリハビリをしていきます。


これが安齋が伝えた内容です。

いかに僕らが持っている医療的知識を噛み砕いて患者さんに伝えられるかが鍵です。


また、丁寧に1つ1つ説明することで当日にできる限界値と目標を事前に伝えることができるので患者さんのリハビリに対する満足度も上がります。


基本的に疼痛緩和が目的なのでその満足度と進捗を本人と相互確認することを安齋は常に意識してます。


【総括】

肩関節の初回リハビリはよほどでない限り、安齋は100%屈曲動作の改善に努めます。

患者さんに伝えたようにADLで使う頻度の多い動作でもありますし、屈曲動作から他の動きに派生させることができるからです。

逆に言えば屈曲動作がしっかりでないと他の動きも出てこないからです。


また、リハビリ介入において安齋は都度都度やることの目的やその意味を伝えてます。そうすることで本人のリハビリに対する疑問や不安をその瞬間で解消または改善できるからです。そうすると患者さんも身体をこちら側に預けやすくなり介入がしやすくなります。



臨床のヒントになれば幸いです!

ではではーーー!!!

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