脳卒中後の運転再開に関して
- リハビリスクエア【リハスク】
- 2021年5月19日
- 読了時間: 2分
近年は高齢者ドライバーの事故などの問題が取り沙汰されていますが、脳卒中等で障害を持った方の中にも、運転を希望される人が少なからずいます。
私もよく聞かれますが、以前は知識不足でどんな評価をすればよいのか、など分からず、適切な誘導が出来なかったように思います。
今回は、脳卒中に絞って話を進めます。
脳卒中は、道路交通法により免許の取り消し、保留、停止が出来る疾患の一つと規定されています。そのため、脳卒中を発症後再び運転を希望される方は、適性診断が必要となります。
大まかな流れとしては、
①主治医に相談
⇩
②運転に関する評価を受ける
⇩
③安全運転相談窓口へ連絡
⇩
④運転免許センターにて適正検査
大まかにはこんな流れになるかと思います。
③の安全運転相談窓口とは、全国統一の専用相談ダイヤル(#8080)に電話をすると、発信場所を管轄する都道府県警察の安全運転相談窓口につながります。
自身の状態や運転希望について相談すると、適切な指示を仰ぐことができます。
いきなり、この安全運転相談窓口に相談しても良いのですが、診断書を求められるので、医療機関で運転に関する適性評価を実施するのが現状の流れかと思います。
では、なんの評価をすればよいのか?
この問いに対する一つの指標として、一般社団法人日本高次脳機能障害学会が
「脳卒中,脳外傷等により高次脳機能障害が疑われる場合の 自動車運転に関する神経心理
学的検査法の適応と判断」
というものをHPに挙げています。
そこに挙げられている運転に必要な高次脳機能評価として
①認知機能評価
②半側空間無視評価
③注意と処理速度に関する評価
④構成能力評価
⑤遂行機能評価
⑥上記5つを踏まえた上での、病歴、その他の神経学的症状、画像所見、日常生活観察など
から総合的評価
上記6点がポイントとして挙げられています。
各機能に対する評価項目、カットオフの指標なども書かれているので、臨床で運転希望する方に対応する場合は、一度目を通してみると良いかと思います
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