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執筆者の写真リハビリスクエア【リハスク】

リアル臨床〜両側股関節OA〜

安齋です!

今回は安齋のリアル臨床を赤裸々に書きます。

股関節OAとなると気になる方も多いと思うので臨床に使える何かになったらいいかなって思っております。

ではさっそく!


【症例情報】

男性、60代/左股関節は以前、MRIにてTHAを検討するレベルと診断されている。右股関節も左ほどではないがADL上での疼痛は生じてる。/仕事はデスクワーク、以前は海外へのフライトもあったがコロナになってからは国内のみの仕事となっている。/既往歴は特になし


ざっとこんな感じ。

さて、ここから理学療法評価を展開します!

内容は20分のうちに評価、治療したものです!


【理学療法評価】

診断:両側変形性股関節症(以下、股関節OA)

主訴:立ち上がるときや歩く時に右股関節が痛くなる。

hope:痛みの改善ではなく、付き合い方そして対処方法を知りたい

起立動作:離殿初期に股関節前面に疼痛

歩行:右立脚期の短縮、ワイドベース歩行、歩幅の左右差あり(右<左)、Tstは軽度出ている。

立位アライメント:スウェイバック姿勢

背臥位アライメント:骨盤前傾位(腰椎前弯が強く指3本がしっかりと入る)、大転子の位置は両側とも挙上しており右は比較して外旋傾向/骨盤は右がAS、左がPI

パトリックテスト:陽性

ログロールテスト:陽性

FEDIR:陽性

エリーテスト:陽性

トーマステスト:陽性


tone:腸腰筋↑、Quad↑、中殿筋小殿筋↑

骨盤の動き↓

右股関節:全体的に動きが制限あり。屈曲は80くらいから疼痛生じる。外旋は5°程度で疼痛あり。

ルーズポジション:右股関節は屈曲40、外転20°ほど。



【仮説】

ログロールテストとFEDIRが陽性なので関節唇損傷の疑いも出てきます。

ですが、大転子のポジションを考慮するとこれで疑うのはちょっと微妙です。

そこでtoneが高い筋をリリースしてその後に動作が変わるかどうか、疼痛が変わるかどうかを確認。

その際に再評価して疼痛が同じであれば関節唇の疑いをします。

疼痛がなければ、股関節アライメントの問題によるインピンジメントが原因。


【実際の理学療法】


今回、実は徒手療法を一切行っておりません。

徒手でやろうと思ったのですが、全身的にtoneが高くてとてもリリースしきれないと思ったからです。

そこでやった運動療法がこちら。


①腹臥位で腰を左右に振る(股関節中間位、膝関節伸展位)②四つ這いで前後左右の運動→歩行と起立動作のチェック→③大殿筋、腸腰筋の促通エクササイズ→歩行、起立動作のチェック


この流れで行っております。

①は股関節OAの方によくやってもらうエクササイズです。これをやると腰部〜股関節周囲の筋が緩みます。加えて多裂筋の収縮促通にもなります。ただし、骨盤から下のみが動けば効果が出ますが、上半身も動くようであれば効果は出ません。上半身が動くと上半身と下半身の分離ができていないためです。

②は緩んだ筋を使いながら少しずつ可動域をアクティブコントロールするためです。

③は立位で行います。

大殿筋の促通は立位で対象側の下肢に母趾球へ荷重しつつカーフレイズ。

腸腰筋の促通は骨盤前傾を促しながら腿上げ。


この方法で行うと筋の収縮形態が変わります。


結果的には、歩行形態も変わり起立動作も安定して疼痛が改善してます。


OAの方にはこのような方法でやってみるのもありですのでお試しください!


それではーー!!

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