栄養状態の評価方法について
- リハビリスクエア【リハスク】
- 2022年12月23日
- 読了時間: 2分
更新日:2023年1月1日
低栄養は、身体機能の低下や転倒・骨折リスク増大、合併症の併発など、様々な問題が生じると言われています。
2018年に発表されたGLIM(Global Leadership Initiative on Malnutrition)基準は世界規模の低栄養診断基準として、提唱され今後広まっていくことが期待されています。
今回はGLIM基準について簡単に解説していきたいと思います。
まず、GLIM基準では、以下のようなアルゴリズムがあります。
流れとしては、まず従来のスクリーニング評価法を用いて、低栄養をスクリーニングし、その後GLIM基準に基づくアセスメントを行い、重症度判定の流れです。

リスクスクリーニングでは、NRS-2002 、MNA-SF、MUSTなどが推奨されています。
これらの評価法を用いることが、第一段階となります。

スクリーニング後は、GLIM基準に基づきアセスメントを行います。
GLIM基準は、現症の3要素(体重減少、BMI、骨格筋量)と病因の2要素(食事摂取量の減少または消化吸収能低下、炎症の影響)について、評価を行います。
例えば、6か月以内に意図せず5%以上体重が減少している場合は、該当になります。
ここで、難しいのは筋肉量減少の評価です。
骨格筋評価はDXAやBIA、超音波、CT、MRIなどの評価が推奨されますが臨床的に簡易的に評価することが難しいのが現状です。
そのため、上腕や下腿周囲長で代替しても良いとされています。
下腿周囲長で参考にするのは、サルコペニアの基準値です。AWGS(Asian Working Group for Sarcopenia)の基準値では、男性34㎝未満、女性33㎝未満が筋肉量低下の目安になっているので、こちらの値を一つの参考にすると良いかと思います。

アセスメントを行い、現症と病因それぞれ一つ以上に該当した場合は低栄養となります。
続いて、重症度判定を行います。
重症度判定は現症の3項目において、その程度から判定されます。
以下を参考にしてみてください。

GLIM基準は、簡易的に臨床で使用しやすいかと思います。
スタンダードな評価法になっていくかもしれないため、確認しておくと良いかと思います。
【参考】
Cederholm, T., Jensen, G. L., Correia, M. I. T. D., Gonzalez, M. C., Fukushima, R., Higashiguchi, T., ... & GLIM Core Leadership Committee, GLIM Working Group. (2019). GLIM criteria for the diagnosis of malnutrition–a consensus report from the global clinical nutrition community. Journal of cachexia, sarcopenia and muscle, 10(1), 207-217.
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